お金の勉強をするブログ

1級ファイナンシャル・プランニング技能士。CFP。お金の知識をわかりやすく伝えることを目標に、記事を書いていきます。

学資保険 返戻率が 決め所

こんにちは。FPのみかりこです。

今回は、奨学金に頼らずに、まずは教育資金を貯めよう! ということで、学資保険について書いていこうと思います。

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さっそくですが、学資保険のメリットとデメリットを紹介します。

 

<メリット>

定期貯金より利率がよい

計画的にお金を貯められる

契約者が死亡した時に、保険料免除の処置がある

税制面での優遇がある

様々な保障が付けられる

 

<デメリット>

インフレに対応できない

換金性が低い

途中解約すると元本割れする

保険会社が破たんした時に全額保護されない

 

 

定期貯金より利率がよい

確かに定期預金よりは利率はいいですが、現在の超低金利の影響で返戻率が100%を割り込む商品も目立ってきていて、貯蓄性に関しては魅力が薄れているのが現状です。とはいえ、それは他の金融商品も同じこと。返戻率110%以上の学資保険もまだあります。

 

返戻率の高い学資保険

110.3% ソニー生命保険『学資保険(無配当)Ⅲ型』

※契約者30歳、被保険者0歳、払込期間18年、保険期間22年

 

105.5% フコク生命みらいのつばさ(ジャンプ型)

※契約者30歳、被保険者0歳、払込期間11年、保険期間22年

 

104.0% 日本生命保険『ニッセイ学資保険こども祝金なし型』

※契約者30歳、被保険者0歳、払込期間18年、保険期間22年

 

計画的にお金を貯められる

定期的な積み立ては、お金を貯めるのに最も確実な方法です。学資保険は妊娠中から加入できるので、結果的に長期積み立てができ、それが最大のメリットと言えるかもしれません。デメリットの途中解約すると元本割れするというのも、続けるための強制力となります。

 

契約者が死亡した時に、保険料免除の処置がある

これがあるために学資保険に入っている人は多いかもしれません。以後の払込みはなくとも、満期金が受け取れます。

 

税制面での優遇がある

学資保険の満期金は一時所得として所得税がかかります。しかし、一時所得は50万円の特別控除があるので、50万円以下であれば、所得税はかかりません。また、50万円以上であっても、課税されるのはその金額の1/2です。

 

{(満期金)-(払込保険料)-(特別控除50万円)}÷2=一時所得の課税額

 

ちなみに預貯金や国債などの利子および株式の配当金、株式の売買益にかかる税金は20.315%所得税15.315%、住民税5%)となります。

 

さらに、生命保険料控除が利用できるため、所得税、住民税の節税ができます。

年間の払い込み保険料の金額によって、最大で所得税4万円、住民税は2万8千円控除できます。

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平成24年1月1日以降に締結した保険契約の場合

 

仮に課税総所得金額(年収から経費と所得控除を差し引いたもの)が500万円の場合の税率は所得税で20%、住民税では10%なので、最大であれば、所得税は8,000円、住民税は2,800円、合計で10,800円の節税になります。18年間支払い続けたとすれば、194,400円の節税になります。(※これは学資保険も含めて、生命保険料を年間8万円超えて払った場合の控除額なので、すでに他の生命保険で年間8万円超になっていれば、学資保険加入での新たな控除はありません)

 

様々な保障が付けられる

これに関しては、必要と思う人といらないと思う人に分かれると思います。当然、保障が多ければ保険料が高くなります。代表的なものが育英年金です。万が一、契約者(親)が死亡した場合に、満期まで養育年金が受け取れるというものです。もちろんその後の保険料は免除され、満期金も受け取れます。その分、保険料が上がるので返戻率は100%きる場合が多く、貯蓄性を重視したい場合にはおすすめできません。他にも子供側に医療保障が付くタイプのものがありますが、これは国や自治体の医療費補助があるので、まったく必要ないでしょう。

 

ここからはデメリットです。

 

インフレに対応できない

18年間の契約であれば、その期間、利率が固定されるため、このまま低金利が続けば問題はありませんが、市場金利が上がっていった場合は損をすることになります。この18年間を長いと見るか短いと見るかで見解は分かれますが、ちなみに今の超低金利時代は1998年から19年間続いています。

 

換金性が低い

途中解約してしまうと元本を割り込むため、契約満了までは何が何でもやりきる覚悟が必要です。ここで起こりやすい失敗は、大学の学費を貯めるために学資保険に入ったものの、中学や高校で私立に行くことになり、まとまった資金が途中で必要になってしまったというケース。学資金の受け取りは、中学や高校の入学のタイミングで祝い金として数回に分けて受け取る方法や、大学入学のタイミングで満期金として一回で受け取る方法など様々あり、契約時に決める必要があります。ここで計画と違う事態が起き、途中で解約するような破目にならないよう、いくらかの手元資金を確保したうえで、学資保険に加入しましょう。

 

途中解約すると元本割れする

換金性が低いに書いたとおりです。ここで問題なのは、満期まで支払ったのに元本割れするケースです。返戻率100%未満が元本割れになりますが、保障が手厚い商品は満期金が元本割れしている場合が多くあります。

 

保険会社が破たんした時に全額保護されない

銀行が破たんした場合は、預金保険制度によって1000万円まで元本とその利息が全額保護されますが、保険会社が破たんした場合は生命保険契約者保護機構によって責任準備金等の9割までしか保護されません。

 

まとめ

学資保険のメリットとデメリットを理解できれば、どのような人が入った方がいいのか、入らない方がいいのかがわかると思います。返戻率が高いものに、子供が0歳のうちから入っておけは、月々の保険料は抑えられ、万が一の保障期間も長くなり、税制面の優遇も長く受けられます。一方、契約期間が長いと、解約のリスクやインフレリスクなどに見まわれる可能性も高くなります。絶対解約しないという覚悟のもとで、とにかく返戻率の高い商品に狙いを定めれば、自動で積み立てられる学資保険は、もっとも簡単で確実に大きなお金を貯められる方法でもあるのです。