数字みてると眠くなる

1級ファイナンシャル・プランニング技能士。CFP。お金の知識をわかりやすく伝えることを目標に、記事を書いていきます。

初心者は 積立NISAで 投資デビュー

こんにちは。FPのみかりこです。

前回、iDeCoについてお話しましたので、今回はその流れでNISAについてお話します。

NISAとは少額投資非課税制度のことです。株式や株式投資信託について、購入した年から配当所得や譲渡所得が非課税になる制度です。通常ですと、20.315%所得税15.315%、住民税5%)の税金が取られるわけですから、利用しない手はありません。

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これに加えて、平成301月から積み立てNISAが始まります。積立貯金のように、毎月一定額を投資する方法で、購入した年から最長20年間、配当所得や譲渡所得が非課税になります。

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おお!!これはいいぞ! 合わせて年間160万円非課税で投資できる!!‥と誰もが考えてしまいそうですが、なんと、この通常のNISAと積立NISAは併用できません。どちらかを選ばなくてはなりません。積立NISAの対象商品は現時点での情報では、投資信託の中でも、長期運用に向いている、信託期間が20年以上、毎月分配型ではない*1、信託報酬(手数料)が安いなどの条件を満たしたものに限られます。これは投資初心者には、安全でなるべく損しないような投資信託の中からしか選べないということになるので、積立NISAのメリットとなります。一方、個別株(積立NISAでは買えない)に投資して大きく利鞘を稼ぎたいという人や、年間の投資額が40万では少なすぎるという人には現行のNISAがよいでしょう。

但し、現行のNISAは最長5年(ロールオーバーをすれば10年)なので、総額120×5=600万円まで非課税で運用できるのに対し、積立NISA40万円を20年間運用できるので、総額は40×20800万円まで非課税で運用できます。

※非課税枠をさらに5年間延長できる(持ち越せる)。たとえば2015年に運用を開始したものは2019年に終了するので、ここでロールオーバーをすればさらに5年間延長でき、2024年まで運用できる仕組み。

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ここにNISAのメリットとデメリットをまとめてみます。

 

メリット

年間120万円(積立NISAであれば40万円)を非課税で運用できる

120万円分の購入した株や投資信託の配当金、売却益が非課税になります。120万円の儲けが非課税になるわけではありません。

 

いつても売却できる

但し、一度売却した分の金額の非課税枠は再度利用できません。iDeCo60歳まで、原則売却できないので、流動性NISAに軍配が上がります。

 

デメリット

11口座しか開設できない

複数の金融機関に口座を持っていても、NISAとして利用できる口座はひとつだけ。2015年から年1回だけ金融機関の変更ができるようになりました。但し、その年に一度も取引していない場合に限ります。またそれ以前の年に購入したものは新しい口座には移せません。

 

非課税枠は次の年に繰り越しできない

120万円のうち80万円しか使わなかったとしても、残りの40万円を次の年に持ち越しすることはできません

 

損益通算と損益繰越ができない。

通常、複数の口座を持っていて、一方で利益が、一方で損失が出た場合、それを相殺して、同額かあるいは損失の方が多ければ、税金はかかりませんが、NISAの場合、口座の通算ができないので、仮に特定口座で50万円の利益、NISA50万円の損失が出た場合でも、50万円分に課税されてしまいます。

また、通常であれば、損失が出た場合、確定申告をすれば、税金の控除を3年間繰越すことができますが、NISAの場合はできません。たとえば、昨年、損失を50万円出して、今年利益を30万円出した場合、今年の利益はなかったことになり、税金がかかりません。さらに残りの20万円の損失はさらに来年利益が出た時にも控除されます。これが3年間に渡ってできます。NISAは損失はなかったことにされてしまうのでこれもできません。

 

NISAの注意点

デメリットではありませんが、NISAをやるにあたって、気を付けておく点です。

 

配当金の受け取り方法を株式数比例配分方式にしておく

これ以外の設定にしてあると課税されてしまいます。

 

5年の非課税期間が終わった時の課税に注意!※1

5年後(ロールオーバーをすれば10年後)に非課税期間が終了し、一般口座か特定口座に移した時に、購入時よりも値段が下がっていた場合、その下がった値段が購入価額とされてしまいます。つまり100万円で買った株が5年後70万円になっていた場合、その70万円で一般口座or特定口座に振り替えられるので、そこから90万円に値が戻って売却すると、70万円が購入価額とされるので、20万円の利益に出たことになり税金がかけられてしまいます。実際には10万円の損失だというのに‥。これを回避するためには、非課税期間中に売却しておく必要がありますが、そこは普通に株取引のセンスが問われるところですね。

 

まとめ

銀行や証券会社がやたらとNISA口座の開設を勧めてくる時期がありましたが、(今もそうかな?)あまり予備知識なく始めてしまっている人もいるかもしれません。初めての株取引がNISAという人も多いのではないでしょうか。運用益が非課税になるわけなので、お得な制度であることは間違いありません。ただ利用の仕方によっては、あまり意味がなかったり、却って損してしまうケースもあります。※1

個人的には、投資初心者には、積立NISAをおすすめします。買える商品の安全性しかり、投資期間も長いので、基本ほったらかしにできるからです。いや、ほったらかしにしておくべきです。しかしそうは言っても、お金が必要になった時は、iDeCoのように、資金が拘束されることはなく、いつでも引き出せるので、その点でも安心です。(iDeCoは途中で引き出せないというデメリットがあるものの、お得感からするとiDeCoに敵うものはありません)ただ、投資限度額は少額なので、NISAで大儲け‥なんてこともありません。

投資の入り口として、お得に使えるなら使わない手はない、それがNISAです。

 

*1:毎月分配型だと、複利効果が薄れるため、長期運用に向かない。