IPO 抽選当たれば いい稼ぎ
こんにちは。FPのみかりこです。
投資に興味を持ち始めると、よく目にするIPOという言葉。「IPOで〇〇万円稼いだ!」「絶対もうかるIPO投資術」など、なんだかよくわからないけど、お金稼げそうな気配が・・・ってことで、本当に稼げるのかも含めて、まだよくわからない人に向けて、IPO(新規公開株)投資について書いてみたいと思います。
IPOとは、まだ上場していない会社が新規に証券取引所で株式を公開することを言います。
IPO株投資は、その上場前の株を買う権利を抽選で手に入れ、その株を手にした人が、上場日に最初に付いた株価(初値)で売って利益を得る投資方法です。上場前に株価を決める必要がありますが、その価格を「公開価格」と言います。公開価格はブックビルディング方式(機関投資家などの意見を基にして新規公開株の価格を決定すること)で決められ、大抵は割安に設定されます。そのため、初値の値上がり幅分の利益が得られるわけです。
だいたい8割方は、公開価格より初値の方が高くなり、今年度(2017年)のこれまでの勝敗(勝:公開価格<初値、負:公開価格>初値、分:公開価格=初値)は、52戦 47勝5負0分 (勝率90.4%)となっています。
こんなに確実に利益が出るIPOをやらない手はないだろう!!と誰もが思いますよね。しかし、そうは問屋が卸さない、やれば8~9割の確率で利益は出ますが、その切符を手にするのが難しいのです。そう、なかなか抽選に当たらない・・・。かく言う私も、初めてIPOをやったのが、あの2015年の日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険のIPOで、全部はずれたことでIPOから遠ざかってしまっていました。しかし、今こうしてIPOについて、少し勉強してみると、「あれじゃ、当たるわけないわ」と思えるほどに、抽選に当たりやすくなる方法というものが存在するのです。
ここから先は、抽選に当たりやすくなる方法について書きます。
そもそも、何でもそうですが、1口応募するのと10口応募するのとでは、当然10口応募した方が当たりやすいですよね。当選したければ「数打ちゃ当たる」方式でやるのが鉄則です。つまり、口座をたくさん持つのです。しかし、やみくもにたくさん口座を作っても賢くありません。
まずは簡単にIPOの仕組みを説明します。
仮に1万株、新規公開株を発行するとします。その場合、中心となる証券会社(主幹事と言います)に80%の8000株割り当てられ、残りの20%の2000株は4社の証券会社(平幹事と言います)に割り当てられるとします。当然、主幹事の証券会社に口座を開いて、ここから抽選に申し込んだ方が当選する可能性が高くなります。しかし、証券会社が全てを抽選で割り当てるとは限らないのです。割当方法には裁量割当と抽選割当があります。裁量割当とは、証券会社の営業担当が日頃からお世話になっている顧客に対して、文字通り裁量でIPO株を渡すことです。当然、取引額が多い人ほど割り当てられる株数が多くなるわけで、ここら辺は世の中の不公平さを嘆きたくなるわけですが、この割当をどのくらいにするかは、証券会社によって異なります。傾向としては店舗のある大手証券会社(野村證券、SMBC日興証券、みずほ証券、大和証券)などは裁量割当が多く、ネット証券は抽選割当が(100%抽選割当も)多い傾向があります。
そうなると、たとえ主幹事証券会社でなくとも、抽選で当たる確率が高い証券会社が出てくるわけです。こういった主幹事、幹事を多くやっている証券会社の口座を複数持つことが、まず、当選確率を上げるための第一歩となります。
以下が2016年の主幹事、幹事数の証券会社ランキングです。
2016年 幹事数ランキング
1 | SBI証券 | 76社 |
2 | SMBC日興証券 | 72社 |
3 | みずほ証券 | 60社 |
4 | マネックス証券 | 44社 |
5 | 野村證券 | 37社 |
5 | 大和証券 | 37社 |
7 | いちよし証券 | 30社 |
7 | 岡三証券 | 30社 |
7 | エース証券 | 30社 |
10 | 岩井コスモ証券 | 25社 |
2016年 主幹事数ランキング
1 | 野村證券 | 22社 |
2 | みずほ証券 | 20社 |
3 | 大和証券 | 16社 |
4 | SMBC日興証券 | 15社 |
5 | SBI証券 | 13社 |
6 | 東海東京証券 | 5社 |
7 | 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 2社 |
8 | いちよし証券 | 1社 |
8 | SMBCフレンド証券 | 1社 |
さらにここから、抽選割当が多い証券会社を選ぶ必要も出てきます。幹事数ランキング4位のマネックス証券は100%完全抽選なのでおすすめです。他にも岡三オンライン証券が100%完全抽選でさらに、2013年からIPOの取扱が始まったため、口座数がまだ他に比べて少ないため、競争率が低く、おすすめです。このように、口座数も重要なファクターです。ライバルが少なければ、その分当選する確率が高くなるからです。
IPOの抽選方法や口座数などは各証券会社のサイトに載っていますので参考にしてみてください。
さて、ここからは私の独断で、IPOおすすめ証券会社を5つ選んでみました。もちろん資金に余裕があれば、さらに多くの証券会社に口座を持つことで当選確率を上げることができます。
私のメイン証券会社です。とにかくすべてにおいて万能です。ただ、人気があるためにIPOに関して言えば、口座数が多いことで競争率が高くなってしまうのが難点でしょうか。また、完全抽選率は35%ほどで、資金が多ければ多いほど口数を申し込めるので、当選確率をあげることができます。たとえば、公開価格の上限が1000円で、1口が100株だとしたら、資金10万円で1口申し込めます。仮に資金が100万円あれば、10口申し込めるわけです。
また、15%はIPOチャレンジポイントというものに割り当てられ、このポイントは落選した時に貯まっていくポイントなので、SBI証券でIPOの抽選に参加すればするほど、ポイントが貯まっていき、ポイントが多い人から当選する仕組みになっています。つまり、落選しても続けていれば、いずれ当選するというわけです。幹事数も抜群に多いので、必ず持っていた方がいい証券口座です。
幹事数ランキング2位、主幹事数ランキングでも4位と、取り扱い数の多さに対して、口座数は270万強と、野村證券の540万、SBI証券の350万強と比べても少ないため、当選確率に期待できます。完全抽選率は10%と高くはありません。さらに、資金の使いまわし(同日上場の2社に申し込むために資金を2社分用意しなくても、多い方の1社分の資金があれば、残りの1社も申し込める)ができないため、抽選申込数が制限されることになり、これが競争率を下げ、当たりやすくしているとも言えます。
なんと言っても、100%完全抽選というのが素晴らしい! 主幹事こそないけれども、幹事数は4位と多く、また、資金量に左右されないので、初心者にとっては始めやすい証券会社です。
言わずと知れた最大手証券会社です。主幹事数1位、口座数も1位なので、当選確率は高くはないものの、抽選申込時に資金が必要ない(当選してから入金すればよい)ので、とりあえず、申し込んでおく口座として、作っておいて損はないと思います。担当者がつくホームトレード口座と手数料が安いネット&コール口座があります。両方に申し込んだとしても抽選は一つの口座のみなので、ネット&コール口座のみ持っていればいいでしょう。
取り扱い数の多さはもちろん、完全抽選率が15%、チャンス抽選※5%と大手の証券会社(完全抽選10%としているところが多い)の中では多いのが特徴です。また、資金の使いまわしができるので、たくさん申し込めるのもメリットです。
※預かり資産や売買手数料などによって優遇される抽選方法
他にも岡三オンライン証券(100%完全抽選、口座数がまだ少ない、抽選申込時に資金不要)や東海東京証券(大手証券会社に比べて口座数が少ないため、主幹事になった時には当選確率高し)、カブドットコム証券(100%完全抽選、取り扱い数そこそこ多い)など、おすすめできる証券会社はまだまだあります。少しずつ増やしていくとよいと思います。
最後に
このIPO株投資は抽選に当たりさえすれば、確実に儲けることができると思われがちですが、そうではありません。8割の勝率ということは2割は負けることもあるということです。抽選に当たりやすい銘柄があったとしたら、それは不人気銘柄(要注意)である可能性もあるわけです。IPOだからといってやみくもに手を出すのは危険です。そこはIPOに詳しいサイトなどで情報を得て、抽選に参加する会社、しない会社を見極めることも大切です。
さて、一番気になる抽選に当たる確率ですが、私がいろんなIPO株投資をしている人のサイトを覗いて、当選数の割合を見た感じでは、3割~4割くらいの確率で当たっている気がしました。しかし、1社の抽選に5つの口座から申し込んでいたり、資金にものを言わせて、10口申し込んでいたり、あの手この手を使ってようやくそのくらいの確率だったりするのかもしれません。IPO株投資初心者であれば、10回申し込んで、2回当選していれば御の字くらいの確率かもしれません。IPOに関して言えば、「数打ちゃ当たる」という当たり前の法則に従って、口座をたくさん持って、資金を多くし、長く続けることで勝率は確実に上がっていくでしょう。さて、私もIPOの結果については、いずれここで報告していきたいと思います。