数字みてると眠くなる

1級ファイナンシャル・プランニング技能士。CFP。お金の知識をわかりやすく伝えることを目標に、記事を書いていきます。

変動か 固定か悩む 住宅ローン

こんにちは。FPのみかりこです。

どちらがいい?議論でよく話題に上がるのが「持ち家」VS「賃貸」ですが、それと同じくらい住宅ローンの話になると「変動金利VS「固定金利になります。(併用もありますが)

住宅ローンは、どこの金融機関でどんなタイプのローンを組むかで、支払い総額が大きく変わってきます。今はネットで簡単に比較できるので、以前のように、不動産会社やハウスメーカーの提携先と、営業に言われるままに契約することも少なくなっているように思います。逆に商品が多すぎて選ぶのが大変になっているかもしれませんね。

 

価格.com提供の「住宅ローン比較」はとても便利です。

以前は表面金利(適用金利)に諸費用(事務手数料、保証料、団体信用生命保険料)を加えた実質金利を出して比較しなければなりませんでしたが、それらを反映した総支払額で比較できるので、お得なローンがどれなのかすぐにわかります。ただ、ひとつ困ったことは、このシミュレーションには「金利シナリオ」という項目があって、将来の金利変動予想を自分でしなくてはならないこと。「そんなこと誰もわからんわ!」と言いたいところですが、要は変動金利なのか固定金利なのか、全期間固定金利にするのかなどを決める必要があるわけです。簡単に言えば、今後、金利が上がらないと予想すれば、変動金利を選び、上がっていくと予想すれば固定金利を選ぶという寸法です。変動金利の方が金利が低いので、まずは変動金利でローンを組んで、金利が上がってきたら固定金利に切り替えるという方法を誰もが考えると思いますが、これがそう簡単ではありません。変動金利が上がってきたと思った時にはすでに固定金利は上がってしまっているからです。変動金利短期金利に連動し、固定金利長期金利に連動します。短期金利の代表的なものは日銀が調節する政策金利20176月現在0.10%)であり、長期金利の代表的なものは10国債金利です。長期のものほど先の見通しを早く織り込むため、金利上昇の局面では長期金利のほうが短期金利より早く上昇します。それ故に、金利が上がってきたから固定金利に切り替えるという方法はうまくいかないのです。ならば、固定金利が上がる前に‥と思いますが、それこそ、予測は不可能に近いものがあります。

さらに、ローンの借り換えというのは想像以上に面倒だったりします。まず、借り換えにどのくらいの効果があるのか、試算しなければなりません。これはネットで簡単にシミュレーションできます。

ローン借り換えシミュレーション - 全国銀行協会

支払い総額がいくら減ったかがわかったら、そこに諸経費を反映させて、なお、借り換え効果があるようなら、借り換えをやる意味があるということです。

諸経費は印紙税、事務手数料、保証料、抵当権設定費用(登録免許税、司法書士報酬)などがあり、さらに従前の住宅ローンを一括返済する費用(繰上げ返済手数料、抵当権抹消費用)もかかります。

※先ほどの価格.com提供の「住宅ローン比較」では諸経費も入れて借り換え効果を試算できるので便利です。

次に新規にローンを組む時と同じように、借り換えにも審査があります。ここで問題になるのが、担保価値の値下がりです。新築物件は、買った途端に中古になるため、価値も急に下がります。ローンの残債よりも住宅の価値が下がっているような担保割れが起きていると、審査が通らない場合があります。(金融機関によって審査の基準は様々なので、複数あたってみるといいでしょう)

最後に手間です。これが実は一番嫌だという人も多いでしょう。ローン審査をもう一度やるわけですから、各種書類を取りそろえなければなりません。ざっとあげると、住民票、(本人確認書類、返済予定表、口座通帳、源泉徴収票、重要事項説明書、不動産売買契約書、不動産登記簿謄本)のコピー、公図や建築図面など物件審査に必要な書類、団体信用生命保険申込書兼告知書など、一日がかりになりそうです。それでも、効果が明らであればやらざるを得ません。

借り換えにはタイミング、効果、手間を考える必要がありますが、やはり一番大事なのはタイミングです。このタイミングの良し悪しで効果が決まるからです。しかし上述したように、今後の金利予測は専門家ですら難しいのですから、絶妙なタイミングで借り換えをするなんてことはできないと思ったほうがいいでしょう。あとから振り返ってみて、あの時やっておけばよかった、あのタイミングでできてよかった、となるわけです。

マイホームを手に入れることはとてもワクワクして楽しいことですが、その裏にはお金の問題が張り付いています。住宅ローンと聞いて、気が重くならない人は少ないと思います。だからと言って、人任せにしていると、あとで後悔する羽目になります。情報にアンテナを張って、知識を仕入れて、自分で予測を出せば、たとえ一時失敗したなと思っても、方法を知っているわけですから挽回ができます。

まずは、ライフプランを作ってそれに照らし合わせれば、おのずと金利タイプも決まってくるでしょう。

以下にそれぞれの金利タイプのメリットデメリットをまとめました。

 

1.変動金利

半年に1回金利を見直しますが、5年間は返済額が一定なので、返済額に占める元金と利息の割合が変わってきます。金利が上がれば、元金の減りは少なくなります。5年後に返済額を見直す際、大幅に上がらないよう、1.25までという緩和処置があります。

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メリット

  • 当初の金利が低い
  • 金利がずっと低ければ、総支払額が一番少ない
 

デメリット

  • 将来の返済額がわからない。金利上昇時にはリスクを背負う。

 

 

2.固定金利期間選択型

5年、10年など、決められた期間は固定金利となり、期間終了後は、その時点の金利で見直されます。返済額の上昇率に制限がないので、金利上昇時には負担が大きくなります。

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メリット

  • 全期間固定金利型よりも金利が低い
  • 選択期間中は返済額が一定なので安心感がある
 

デメリット

  • 固定期間終了時に金利が上昇していた場合、緩和処置がないため、大きく上がる可能性がある

 

 

3.全期間固定金利型(フラット35など)

返済期間中、金利が変わりません。フラット35がその代表です。フラット35は公的融資になりますが、まず、民間の金融機関が融資を行い、融資実行後に住宅金融支援機構が住宅ローン債権を買い取る仕組みになっています。

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メリット

  • 毎月の返済額が変わらないのでライフプランが立てやすい。
  • 金利上昇時のリスクがない
 

デメリット

  • 変動金利や固定期間選択型よりも金利が高い傾向がある
  • 市場金利が低下しても、高い金利のまま払い続けなければならない

 

現在、住宅ローンの金利は全期間固定のフラット35(フラット35S 含)ですら、1%前後となっています。変動金利0.5%を切っている商品もたくさんあります。一方で、住宅ローン控除という制度があり、年末のローン残高に対して1%10年間にわたって控除(減税)されます。つまり、払う利息より、減税される割合の方が大きいという逆転現象が起きているのです。私だったら、この低金利の時に、全期間固定でローンを組んでしまったほうが、後々、借り換えなどの面倒なことも考えなくていいし、将来的に安心のように思うのですが、どうでしょうか‥。(もしかしたら、ずっとこのまま低金利が続く可能性もありそうですので、その選択がいいとも言えませんが)

兎にも角にも、今は借金するにはいい時代なのですね。