お金の勉強をするブログ

1級ファイナンシャル・プランニング技能士。CFP。お金の知識をわかりやすく伝えることを目標に、記事を書いていきます。

住宅ローン控除とふるさと納税は併用できます!

ふるさと納税やってますか?

いろいろと批判もある制度ですが、いろんなものが値上がりしている中で、家計を助けてもらっています。

さて、本題ですが、住宅ローン控除がある人は「ふるさと納税ができない」「控除上限額が大幅に下がる」「自己負担額が増える」などの情報にお目にかかることがあります。きちんとしたふるさと納税サイトでも、併用には注意といった文言が見受けられます。こういう情報に触れると、住宅ローン控除を行っている年のふるさと納税を諦めてしまう人が出てきてしまいます。

結論を言うと、住宅ローン控除とふるさと納税は問題なく併用できます。また、ふるさと納税の控除上限額に住宅ローン控除はまったく影響しません。

ここで、住宅ローン控除をおさらいしましょう。

住宅ローン控除は一定要件の住宅を、住宅ローンを利用して取得した場合に、年末のローン残高の0.7%(※)を所得税額から差し引くことができる税額控除です。所得税額から控除しきれなかった場合は翌年の住民税から控除できます。

※2022年以降に住宅ローン控除が適用される場合

一般的に住宅ローン控除は控除額が大きいため、住宅ローン控除とふるさと納税を併用するとふるさと納税の控除上限額が大幅に下がってしまうと思いがちですが、控除上限額には影響はありません。それは先に所得控除としてふるさと納税の寄附金額が控除され、所得税額が決定してから住宅ローン控除額が差し引かれるためです。また、住宅ローン控除額が所得税から控除しきれず、住民税から控除する場合にも、控除できる住民税の限度額が設定されているため、ふるさと納税による住民税の控除分には影響しません。

ふるさと納税のワンストップ特例制度を利用する場合は、寄附金控除の全額が住民税から控除されるため、所得税額から控除される住宅ローンにはそもそも影響がないのです。

ただ、住宅ローン控除とふるさと納税の併用によって問題が出てくるケースもあります。これはふるさと納税の寄附金控除を、確定申告をして行う場合です。寄附金控除によって課税所得が減り、所得税額が減ると、住宅ローン控除の控除しきれない金額が発生し、控除しきれない分を住民税から控除しても、住民税には控除できる限度額が設定してあるため、限度額を超えた場合は節税できずに無駄になってしまいます。

やっぱり、問題あるじゃないか!と思うかもしれませんが、これは住宅ローン控除の方の問題であって、払うべき税金以上の控除はできないという基本中の基本です。

つまり、この所得控除が多ければ多いほど、払うべき税金が減るので、税額控除である住宅ローン控除の恩恵を使いきれないという話なのです。

ということはこれはふるさと納税に限った話ではないということがわかります。医療費控除や生命保険料控除、iDeCoの掛金控除でも同様に起きる可能性があります。

所得控除の影響でいえば、iDeCoの方が大きいでしょう。会社員が毎月2万3000円(掛金の上限)積み立てていれば、年間で27万6000円です。ちなみにふるさと納税でそのくらい寄附できる世帯の年収は1200万円から1300万円です。

復習すると、ワンストップ特例制度を利用すれば、併用に問題はありません。ただし、住宅ローン控除は1年目は必ず確定申告をする必要があるので、その年はワンストップ特例は使えないことを覚えておきましょう。住宅ローン控除の控除額が大きい場合は控除しきれない場合があるので、その点は留意しておきましょう。