お金の勉強をするブログ

1級ファイナンシャル・プランニング技能士。CFP。お金の知識をわかりやすく伝えることを目標に、記事を書いていきます。

長期間 入院すると 貯蓄ゼロ

こんにちは。FPのみかりこです。

タイトルが危機感を煽っていますが、日本にはしっかりとした医療制度があるので、そこまでの心配はいらないのですが、それでも、本当に貯蓄ゼロになることもあるので、今日は医療費と保険の話をしたいと思います。

日本にはすべての人が何かしらの保険に加入する国民皆保険という制度があります。これによって、70歳までの人の医療費の自己負担は3割になります。(70歳以上75歳未満は所得に応じて2割または3割、75歳以上の人は所得に応じて1割または3割)

とはいえ、公的医療保険が適用されない治療だったり、長期入院をしたら、大きな出費になることは想像できます。特に、長期入院の場合は、その期間働くことができないので収入が途絶えるというリスクもあります。

入院日数の平均は?

厚生労働省の調べによると、入院の平均日数は29.3日、約1ヵ月間です。ただ、7割近くが2週間以内に退院しているというデータもあります。

<傷病別平均入院日数>

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出典:厚生労働省2017年「患者調査の概況」をもとに筆者作成

 

<在院期間別の推計退院患者数の構成割合(病院)>

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出典:厚生労働省2017年「患者調査の概況」より抜粋

 

1か月以上の入院を長期入院と考えた場合、その割合は16.2%しかなく、長く入院するケースは少ないと言えるでしょう。

少ないとはいえ、傷病別平均入院日数をみてもわかるとおり、特定の疾病では長期入院となることがわかります。

精神及び行動の障害や神経系の疾患が非常に長期化していることがわかります。他では循環器系、呼吸器系の疾患が長めとなっています。悪性新生物、いわゆるガンは長期入院が必要と思われていますが、意外と短く17.1日となっています。

1日入院するといくらかかる?

入院1日あたりの自己負担費用をみてみましょう。

<入院1日あたりの自己負担費用>

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出典:2019年「生活保障に関する調査」|公益財団法人 生命保険文化センター

平均が23,300円となっており、思った以上に多くかかると感じたのではないでしょうか。これは一部の個室などの差額ベッド代が病院によっては高額となるケースがあるので、全体を引き上げている可能性があります。割合として一番多いのが、1万円から1万5,000円未満なので、このあたりの金額を想定しておくとよいでしょう。

仮に1日1万5,000円として30日間入院した場合は45万円かかります。

高額療養費制度は保険適用の治療費のみが対象となるので、保険適用外の治療や差額ベッド代、食事代などを考えると、医療保険や貯蓄で備えておく必要があります。

そこで、医療保険でこれらの費用が賄えるのか、次回は保険についてお話します。