数字みてると眠くなる

1級ファイナンシャル・プランニング技能士。AFP。お金の知識をわかりやすく伝えることを目標に、記事を書いていきます。

人生を ライフプランで 点検し

こんにちは。FPのみかりこです。

ファイナンシャルプランナーの仕事のひとつにライフプランの作成というものがあります。実際、これが一番大きい部分なのですが、意外とやったことがないというご家庭は多いと思います。その理由はやはり他人に自分の家の収入や財産などのプライベートな部分を知られたくない、というのが大きいと思います。しかし、家を買ったことがある人ならわかると思いますが、住宅ローンを組むには審査が必要で、世帯年収に貯蓄、借金、過去に支払いの滞りがなかったかなど、事細かに報告しなければなりません。だいたいその辺りで「将来、ここまではできるけど、これ以上はできない」という現実を突き付けられます。20代前半までは、いろんな未来を思い描けていたはずです。「庭付きの白い家を買って、いろんな国に旅行に行って、子供は3人はほしいなぁ‥」とか、語ることができました。しかし。30半ばに差し掛かると、よほどのことがない限り、未来は今の延長戦上にしかないということが分かってきてしまいます。将来予測が立つわけです。具体的には、将来こうしたいというライフデザインを描き、それを実現させるためのライフイベント表(マイホーム購入時期、子供の入学時期、車の買い替えなど)をざっくり作成し、それを基に毎年の収支で表したキャッシュフローを作ります。ここまで作って愕然とする人が多いものです。夢を現実に落とし込む、この一連の作業を経て、無理な部分を修正し、折り合いをつけ、より現実的にライフデザインを実現させていくこと、これがFPが言うところのライフプランの作成です。

 

実際に作成してみましょう。今やWeb上で簡単にライフプランシミュレーションができます。以下をモデル家族に設定して、ゆうちょ銀行が提供しているシミュレーションを使ってみました。

ライフプランシミュレーション | ゆうちょマネーガイド

 

<モデル家族>
夫(35歳 会社員)年収500万円
妻(32歳 専業主婦)年収0円
子供3歳と1歳

  • 貯蓄500万円
  • 2年後にマイホーム3000万円を購入予定
  • 車180万円を6年ごとに買い替え
  • 妻は末子が小学生になったらパート(収入100万円)に出る予定
  • 子供は高校から私立に行かせる予定
  • 大学は自宅から通わせる
  • 夫の退職は65歳、退職金1500万円を予定
  • 5年に一回は家族で海外旅行を計画
 

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現役時代は収支はとんとんで問題なさそうですが、老後に入る手前から収支が赤字に転落し、70歳には貯蓄も底をつき、それ以降は負債を抱えて、80歳半ばで負債が1000万円を超えるという恐ろしい結果に。実際問題、定年後に借金はできませんから、家を売って、安い土地に住み替えたり、それもできなければ生活保護に頼るしかありません。

そこで、こうなる前にライフプランを見直す必要があります。まず、住宅の購入価格を3000万から2000万にしてみました。するとこんな感じです。

 

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おお、いい感じ。もう少し削ってみましょう。

車の購入を8年に一回、金額も150万円にしてみました。

 

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これで、資産残高がマイナスになることはなくなりました。とはいえ、85歳までのシミュレーションなので、90歳まで生きれば‥と、まだまだ見直しが必要ではあります。

 

こうやって、ライフプランを作ってみると、想像以上に現実が厳しいということがわかってくると思います。モデル家族の設定にそれほど無理はないと思うのですが、平均的な家族の姿を想定しても、このような厳しい結果なのですから、結婚して子供を作ってそこそこの生活をするということが、これからの日本ではまったくもって簡単なことではないということです。

それほど前のことではないと記憶してますが、定年退職したら、夫婦二人で豪華客船で世界一周!なんてキャンペーン広告を見かけたものでした。それは富裕層にだけ向けたものではなく、もう少し裾野が広かったように思います。実際、その広告を見て、「お金持ちはいいなぁ」ではなく「船で世界一周なんて退屈そう」なんて腐してたように思います。今、これをやったら自殺行為である、とさえ思えるほど現実的ではなくなってしまいました。「老人はお金を持っている」→「老後貧困」という流れはもう変えられそうにありません。だからこそ、早めにライフプランを立てることは重要です。先ほどの住宅購入にしても、モデルルームを見て行ってよかったからといって、営業マンの言いなりにローンを組んでしまうと悲惨な老後に突入です。この住宅ローンのからくりについては、別で記事にする予定です。まずはライフプランシミュレーションで現実的な目線を手に入れましょう。

その方が結果的には豊かな暮らしができるはずです。