数字みてると眠くなる

1級ファイナンシャル・プランニング技能士。CFP。お金の知識をわかりやすく伝えることを目標に、記事を書いていきます。

早ければ 早いほどいい 資産運用

こんにちは。FPのみかりこです。

前回、インフレになった場合、年金の実質的な価値が下がるという話をしました。今回はそれを受けて、インフレに負けない資産運用について書いてみたいと思います。

資産運用と聞いてまずは、株、投資信託、外貨預金、国債などの金融商品が思い浮かぶと思います。その他にも不動産投資、金などの現物に投資する方法などもあります。

これらのうちインフレに強いものはどれでしょうか。

 

答えは全部です。つまり値動きするものは、インフレのリスクに対応できるわけです。現金をそのまま持っていることが一番のリスクなのです。インフレになれば、市場の金利も上がるので、たとえ普通預金でも、現金で持っているよりはずっといいわけです。ただ、インフレ率の上昇には追い付かないので、より利回りのいいものを探す必要があります。

ひとつひとつ見てみましょう。 

 

株式投資

インフレになると、一般的に企業の収益は上がるため、株価が上昇します。ただ、株式投資には様々なリスク要因があるため、どの銘柄を選ぶかによってリスクもリターンも大幅に変わってきます。個人の手腕に左右されるのでまさに自己責任という言葉がぴったりです。

 

<投資信託

株式投資をプロの人にやってもらって、その分手数料を払うというのがこの投資信託です。インフレに対しては株式投資と同様の効果があります。

日経平均株価などの指標と連動することを目指すインデックスファンドとそれを上回るパフォーマンスを目指すアクティブファンドがあります。分散投資によってリスクを小さくでき、少額から投資できるため、初心者にはおすすめですが、販売手数料や信託報酬(保有中の運用コスト)がかかり、これが意外と馬鹿にできません。

手数料:アクティブファンド > インデックスファンド

 

<外貨預金>

インフレは円に対して起こるため、普通に考えれば、円という通貨が下落すれば、相対的に外貨は値上がりするので外貨預金はインフレに強いと言えるでしょう。しかし、この理論で行くと、デフレ真っ只中の現在は、相当な円高になっていなければなりません。実際は2012年末から円安傾向が続いています。これには様々な要因がありますが、ひとつにFXの普及があります。金利の低い円を売って金利の高い通貨を買い、金利差収入を得る、円キャリートレードという取引が誰でも気軽に行えるようになったことで、円が一斉に売られ、円安になるということが起こり得るようになりました。逆に言えば、インフレで円の金利も上がれば、高金利の通貨は買われる傾向があるので、円高になるとも言えるわけです。つまり、デフレだから円高、インフレだから円安とは必ずしも言えないということです。とは言え、インフレで物価高になり、円の実質的価値が下がれば、円で持つことを嫌い外貨に替える動きが起きて、円安に動く可能性は大いにあるわけです。さらに、リスクの分散という点においても外貨預金は有効であると言えます。

 

<個人向け国債

個人向けに国が発行している債権のこと。インフレに強いという意味では、変動金利10年満期の個人向け国債がよいでしょう。半年ごとに金利が見直されるので、インフレで金利が上昇すれば債券の金利も上がるので、利回りが向上します。元本割れすることがないので安全性が高い反面、現状は普通預金に毛が生えた程度の金利となっています。

 

<不動産投資・REIT

不動産は実物資産であるためインフレに強いのは言うまでもありませんが、金額が大きいことを始め、物件の見極め、管理の手間、空室リスクなど、初心者には難易度が高すぎるのが欠点と言えるでしょう。その欠点をなくしたものがREIT不動産投資信託)です。間接的に複数の不動産のオーナーとなり、運用はプロに任せて、賃料などの収益を享受する投資信託の一種‥と言えば聞こえがいいですが、不動産に投資するファンドに対して投資すると言ったほうが分かりやすいかもしれません。株式投資と同様に売買ができ、一口数万円から購入できます。

 

<金などの貴金属>

実物資産であるためインフレになると価格が上昇します。また「有事の金」とも言われるとおり、政治や経済が危機的な状況下では金が買われる傾向にあります。そのためリスクヘッジとして金は有効です。但し、他の資産と違って持っていても利息や配当、不動産投資であれば賃料などの定期的な収入があるわけではないので、価格の安い時に買って、高い時に売るキャピタルゲインで収益を上げる必要があります。同じ実物資産の不動産は保有すると固定資産税がかかりますが、金は税金がかからないのが利点です。また、金は購入時に消費税を払い、売却時には消費税分を受け取れるので、この先、消費税が増税されれば得をすることになります。

 

以上、簡単ではありますが、要点を抜き出して解説しました。ただ、これだけだと、実際にどれを選んだらいいのか比較が難しいと思いますので、リスクとリターンという観点で図にしてみました。

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ローリスク、ローリターン以外は、時世や様々な要因によってリスクもリターンもかなり変わってくるので分布はこの限りではありません。そういった意味でも、投資の鉄則である「分散投資」が役に立つわけです。上記のような資産レベルでの分散は、リスクヘッジとして非常に有効です。株式投資投資信託では投資対象はいずれも株なのであまり効果がないように思いますが、国を変えたり、債券を組み入れたりすることで、リスクが分散されます。

 

話をインフレに戻しましょう。どの資産運用もインフレには有効ですが、リスクが伴う分、現金で持っていたほうがマシだった‥という事態は起こり得ます。それでも資産運用をしたほうがいい理由は、これから先、現金で持ち続けることがなによりリスクであり、それは長期になればなるほど大きなリスクとなるので、資産運用に伴うリスクのほうがマシだったりするわけです。郵便局に預けておけばよかった時代は終わってしまったのですね。